2015年12月26日土曜日

第33回日本神経治療学会総会に参加しました.



第33回 日本神経治療学会が2015年11月26日~28日まで

名古屋国際会議場で開催されましたので,ご報告させていただきます.






















































当日は私とS先生の発表でした.

発表途中で原稿がとんでしまい数十秒固まるという出来事がありました.

緊張をほぐすためにvalsalva手技を試みましたが効果はありませんでした.


あっという間に,時間は過ぎ,何とか2人とも発表終了しました.

無事終わって何よりでした.










by Tu&S






2015年12月9日水曜日

髄液細胞数は、なぜ「3」で割り算するのか?

神経内科では髄液検査という検査を行います。
その検査結果の報告方法が病院ごとに異なっている場合があります。

髄液細胞数は5個/μl以下が成人における正常値の一つの基準ですが

病院によっては報告される単位が/μlではなく、/3μlなどと報告される事があります
この場合は15個/3μl (15個÷3=5個)までが正常と考えられます。

神経内科では以前から髄液検査の細胞数を「3」で割り、自分で計算して求める状況に遭遇する事があるように思います。



なぜ、ほかでもなく「3」で割り算するのでしょうか?

検査室にお邪魔してお聞きしてきました。



職員専用階段を下りて地下1階の検体検査室へ


職員階段




















検体検査室























検査室に伺い、技師さんに質問すると丁寧に説明をしてくれました。

なんでも

髄液細胞数は、技師さんが顕微鏡で数えて算出している様です。

下記の計算板を用いて細胞数を測定&計算するようです。


フックスローゼンタール計算板






















この計算板には写真では見えていませんが、液体が入る小さなくぼみがあり
下記のような形をしています。内部には3.2μlの液体が入る様です。

くぼみの容積












ここに希釈した髄液を入れて顕微鏡で観察し、細胞数をカウンター3つでカチカチと
測定します。3つのカウンターはそれぞれ、細胞の種類(たとえばリンパ球)によって使い分ける様です。


実際のカウンター3つ






















髄液細胞数の算出は

カウントした細胞数÷3.2μl (くぼみの容積:4mm ×4mm × 0.2mm) × 染色などによる希釈倍率(当院では希釈せず)


≒ 髄液細胞数(個/μl)


で算出する様です。

このくぼみの容積 3.2μlがであることが、髄液細胞数を3で割る事に繋がっているようでした。
従って、/3μlの単位で報告されている場合は、カウントした細胞数をそのまま報告しているという事の様です。


なお、女子医大では髄液細胞数は個/μlの単位で報告される為に、3で割る必要はありませんが


他の病院で仕事をしているときは、

昔から、深い理由は分かりませんでしたが、髄液細胞数の結果を3で割っていました。

その理由がようやくわかった気がしました。


今回のブログ記事は、医療従事者以外の方には、どうでも良い内容だったかもしれません …


(専門家の方からすると、今回の内容は細かいところで間違っている可能性はありますので、実際の髄液検査の測定や判読は自己責任でお願い申し上げます。)














by T






2015年11月23日月曜日

第45回日本臨床神経生理学会の学術大会に参加しました。



第45回 日本臨床神経生理学会の学術大会が大阪で開催されました。当科からも座長や発表者で参加がありました。会場は大阪国際会議場という場所でした。


大阪国際会議場の外観






























空港のような雰囲気


受付へ













































技術講習会へ参加。

脳波や筋電図など、生理検査の機器の設定や各種アーチファクトの対処法、

検査方法、結果の判読方法、レポートの記載方法などの話が聞けました。






























女子医大からの参加者

































技術術講習会は全国から医師や検査技師さんが参加し、
下の写真にある大きな会場が満席となり、特別席が設けられるくらい混雑していました。


技術講習会の会場






個人的には

このような大盛況の会場で思い出されるのは
小惑星探査機「はやぶさ」のプロジェクトに携わった先生の講演会です.

どこかの医学系学術大会内で、立ち見で拝見した覚えがあります.

参加者皆が,聞き入っていて
なんだか夢のある内容の話であったことは覚えています.




小惑星探査機「はやぶさ」 v.s.  電気生理学的検査


では


明らかに後者の方がスケールが小さく

さらに
技術講習会は有料(結構しっかしとしたお値段)

それなのに

「はやぶさ」の講演会に匹敵するくらい参加者が多く(あくまで個人的な印象)
皆さん熱心に聞き入っていて,ビックリしました。






by T

2015年10月7日水曜日

第27回 日本神経免疫学会学術集会がありました。


第27回 日本神経免疫学術集会が

2015年9月15~16日に長良川国際会議場 (岐阜県) で開催されました。
当科からも座長や発表者として参加がありました。


若手医師の発表の様子

ポスター発表の様子



抄録
当日の様子を一言で表すと

「無事終わってほっとした」

とのことでした。



by T

2015年9月24日木曜日

平成28年度医療練士(後期研修医)採用情報


東京女子医科大学での後期研修の応募締め切り日は10月30日(金)となります.神経内科への入局を考えて下さっている先生方は下記リンク先のご確認をお願い申し上げます.

http://www.twmu.ac.jp/info-twmu/renshi-kenshui.html

2015年9月18日金曜日

神経内科医の道具 ~打腱器~


神経内科医が使用する道具に打腱器があります。


打腱器は主に腱反射というものを診察する時に使いますが、
一般の方にとっては脚気の検査と言った方がなじみが有るのかもしれません。

椅子に座った状態で
膝の下を打腱器のゴムの部分でたたくと、足が勝手に跳ね上がる、というものです。

腱反射の診察は古くから行われているようですが、
腱反射の異常は、神経疾患の診断基準にも記載され、現在でも大切な診察手技の1つと考えられています。

なので

みなさんここぞという時の為の
「勝負打腱器」があり、今回見せてもらいました。



Babisnki型打腱器















































上はBabinski型というもの、筆者にとっては医学部の学生時代に買った(買わされた)
思い出深いもの。


Queen Square型 











































上はQueen Square型と言い、
柄が長い上に、プラスチック製で良くしなるので、軽い力でしっかり叩けるようです。

収納時

伸展時
































































上は収納時から引き延ばすと、長く伸びる打腱器
持ち運びに便利


































上はゴムの部分が白く、柔らかい打腱器
患者さんの痛みが少なく、通常時に使いやすいです。
Tromner型



































上はTromner型というものだそうです。
ずっしりと重く、「金づち」のような形をしています。
これで狙いを定めて叩かれた腱は、よく反射を出しそうな気がします。

通常時





























分解時




































上のものの様に、打腱器に、診察で使用するブラシやピンが収納されている物もあります。


今回は簡単にですが、打腱器の紹介でした、このほかにも打腱器の種類はたくさんあり、
各自でお気に入りの道具を選んで使用できるのも
ある意味、神経内科のささやかな楽しみの1つでもあります。


神経診察道具の紹介は、シリーズ化できればと思いますので、
次回もよろしくお願い申し上げます。








by T

2015年8月31日月曜日

2015年 神経内科セミナー


今回は
8月29日に開催された神経内科セミナーの様子をご報告させていただきます。


セミナーは神経内科が毎週使用している、カンファレンスルームで行われました。

内容は、神経内科の各分野について、幅広く、患者さん向けのような一般的な内容から
専門的な内容まで、幅広かったです。

高次脳機能が専門の医師による、認知症のプレゼンテーションもありました。

セミナー風景





















認知症の現状
























認知症の現状についてのスライドですが、、、認知症の患者様は多いようですね。
自分の親は将来大丈夫か心配になります。

セミナーの後はささやかながら、懇親会がありました。





























 懇親会は和やかな雰囲気でした。


個人的には久々に瓶ビールを飲んで美味しかったこと(普段は 缶ビール)
枝豆が美味しかったことなどが、とても印象的でした。

枝豆























2015年度の神経内科セミナーも無事終了しました。
ご参加下さった皆様、本当にありがとうございました。





by T

2015年8月20日木曜日

納涼会!!



8月2日に第1回納涼会が開催されました。

有志の先生方により屋形船で行われました。
浴衣着用の方が多く、

浴衣+屋形船という滅多にない機会であり
大変好評の様でした。


































by T

2015年7月30日木曜日

2015年度 (第41回) 日本神経学会 神経内科専門医試験を終えて



今回は、私(神経内科医 N)が

第41回神経内科専門医試験に合格しましたのでご報告します。



受験申し込みに必要な症例レポートを、2月ごろから10症例作成し、経験した症例一覧や、研修の達成度などと、まとめて3月末に提出。これだけでも力尽きそうでしたが、大変なのはここからでした。

6月13日の一次試験(筆記試験)の勉強を4月から開始。今まで色んな疾患見てこれたし、大丈夫だろうと思いながら問題を見てみると、、、全く分からない!

しかし、昨年受験した先生方が作った解説をみると、『一目見れば分かる問題でした』
そうですか、プレッシャーかけてきますね。

家庭の都合で仕事から帰ってからと休日は全く時間がないので、主に日中仕事中にひたすら勉強しました。

幸運にも出張先の上司の先生も一緒に受験することになっていたので、色々教えてもらいながら、楽しく勉強ができました。

一次試験当日、必修問題100問、一般問題100問、臨床問題40症例100問をひたすら解きました。問題が多すぎて何度も訪れる『もう読むのをやめて適当に答えを書いてしまおうか』という気持ちとの戦いを終え、試験から一週間後に届いた一次合格の通知。安堵とともに押し寄せる口頭試問への恐怖感。



心を落ち着かせるために一旦沖縄に現実逃避の旅へ。





沖縄


































そして7月11日、ついに恐怖の二次試験(口頭試問、診察実技)の日。

試験はAの部屋で診察実技、Bの 部屋で一般的な知識の口頭試問とレポートに関する質問など、それぞれ20分ずつでした。

Aの部屋では、MMT、眼球運動、トーヌス、失調、上肢の麻痺の診察、NIHSSの取り方、不随意運動、歩行障害の実演などをやりました。

Bの部屋では、tPA、MSとNMO、パーキンソニズムの鑑別、末梢神経伝導検査、反復刺激試験、失語などについて次から次へと質問されました。

Aの部屋でNIHSSの取り方で間違った答えをしてしまい、『それじゃーNIHSSの点変わってくるよ。こっち(試験)の点数も変わってきちゃうよ。』と言われ、ハラハラしましたが、基本的には、ヒヤヒヤさせられながらも、知らないことは教えてくれるような微妙な空気感の中の試験でした




そしてまた1週間後に届いた合格通知。ほっとしま した。





合格通知












































それより何よりも、試験の前後で明らかに患者さんを診察する時の頭の中の思考が変わったように感じます。

専門医試験がゴールのように考えていましたが、やっと土台が出来たようなそんな感覚です。


これからももっと患者さんを診察したい、色々学んでいきたいと感じる今日この頃です。





2015年7月15日水曜日

脳卒中の基礎的な研究


神経内科の若手医師が研究中とのことで、自科の研究室の1つにお邪魔してきました。



内部の様子

内部はお世辞にも広いとは言えませんが、清潔感がありました。

ここは、マウスを使った脳卒中研究を行う部屋で、
マウス用のカゴや麻酔器など設置されています。



顕微鏡を覗く

振り返る



個人的には、この様な小さな場所から研究成果が出て、日々、脳卒中診療が進歩しているということはすごいことだと思いました。





2015年6月30日火曜日

夏季セミナー開催のお知らせ.


2015年8月29日(土)に夏季セミナーが開催されます.

学生さんや研修医の先生,入局を考えて下さっている先生など,
例年,多くの方がご参加下さっています.出入りは自由なので,少しだけ参加&懇親会だけの参加でも大歓迎です.今年も皆さんのご参加の程,よろしくお願い申し上げます.






2015年6月2日火曜日

第56回日本神経学会総会 in 新潟 その2


前回のつづきで、
新潟で行われた日本神経学会総会のご報告です。

総会終了後に歩いていると
朱鷺(とき)メッセと万代橋の光が幻想的で、とても綺麗でした。


夜の朱鷺メッセ


万代橋










































総会での勉強疲れを癒すために夕食へ。

新潟名物である栃尾の油揚を注文しました。


栃尾の油揚げ






















中に納豆が入った巨大油揚げでした。美味しかったです。
栃尾の油揚げは大手コンビニエンスストアでも、お惣菜として売られていてびっくりしました。

喉黒も新潟名物とのことで注文。


喉黒の焼き
























ところで
焼き魚は、頭を左側に向けて盛り付けることが多いと思いますが、
この喉黒は 右側を向いています。

なぜなら

喉黒は高級だったので、半身で注文したからです。
下側は骨です。
こちらも、かなり美味しかったです。

最後に

今回の神経総会は6952名もの御参加があったそうです。
様々な発表、教育講演などあり、個人的にはかなり勉強になりました。
普段の診療に活かしたいと思いました。




2015年5月26日火曜日

第56回日本神経学会総会 in 新潟 その1


第56回日本神経学会総会が2015年5月20〜23日まで新潟県で開催されました。

参加させて頂きました。


上越新幹線で東京駅から2時間で新潟駅へ。
上越新幹線「Maxとき」













































上越新幹線には「Maxとき」と「とき」がありましたので
Maxの方に乗ってきました。






新潟駅








今回の会場は朱鷺(とき)メッセと日航ホテル。
「Maxとき」で新潟の「朱鷺(とき)メッセ」へ行きました。






朱鷺メッセ(左)、日航ホテル(右)、信濃川(手前)



学会会場内

講演会場内





























ポスター会場の一部

朝のポスター会場




ポスター会場全体ではこの4〜5倍程度の大きさがあり、
ポスター発表時は人で一杯になります。







女子医大神経内科の医師







座長&発表をする医師




東京女子医大の神経内科では
各分野から、様々な発表を行いました。
その2へつづく。